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(アプリにあるチケットの情報、個人情報は出ていないようなので掲載)


来週後半から、イースター休暇になるそうだ。木曜日から日曜日の復活祭を挟み、月曜日までは公的な休日となり、レストランや店も閉まるところが多い。前にも書いたが、良い店やレストランほど、休暇をしっかり取る。そういう時期に無理に開けて従業員の不満を買うよりも、思い切って休みにしたほうが、モチベーションの面で効果的であり、効率も収入もいいということがデータに出ているらしい。国は違うが、先日のイタリアでは、お気に入りのレストランの営業時間に驚いた。土曜日、日曜日は休業、他の日のランチは開いているが、夕食の時間帯は、なんと水曜日と木曜日のみ。「休み」は「働く」よりも重要なのだ。
シニアになってがむしゃらに「働く」ことから一段落したはずの我が家も「休み」は苦手とはいえ、このイースター休暇を利用すべく行動に出た。そもそも、キリスト教徒ではない人も多いはずなのに、何故便乗するのかという素朴な疑問は置いておいて(私はカトリック教徒なので権利がある)どこへ、いつ、どうやって移動するか、だ。
まずは場所、イースター休暇は日本で言うお盆のようなものらしく、遊びに行くというよりも故郷へ帰って家族で集うことが多いそうだ。集ってきたばかりの我が家は「観光」に行くしかない。去年はフェロー諸島に仕事がらみで行った以外、遠出をしていないので、行くべき場所は多くある。まずはデンマークの市民としては、デンマークを見て回らねば、ということでターゲットを絞り、往復の列車のチケットを調べてみる。折しも、私のスマホにデンマーク国鉄のアプリをインストールしたばかり。これは来月末に一人旅を決行するための目的だったが、案外早くに試運転する機会に恵まれた。ここで無事に使えることが分かれば安心だ。
アプリは実に使いやすい。もちろん全て英語で大丈夫だし、出発と行き先の駅、日付、出発時間などを入れると、瞬時に予約可能な席の一覧が出てくる。これを眺めるのが面白い。
日本ではモバイルSuicaを入れていないのだが、だいたいは同じようなものなのだろう。
今は新幹線も飛行機もスマホで予約できる時代、驚くことではないが、その料金のバラエティーにあまりにも差があるので、しばし唸ってしまった。まず、希望出発時間の前後の列車が出てくる。1時間、いや数分違うだけでも料金がかなり違う。どのくらいかというと ちょうど選んだ列車は400クローネなのに その1時間後の列車になると300クローネになっているくらい違う。需要が多い列車ほど、料金が高いと思われる。もちろん高速列車、乗り継ぎなしのルートは高い。さらに、このあたりがいいだろうと詳細をみると、割引料金がでてくる。デンマーク国鉄(DSB)にはDSBオレンジという割引があって、これが適用されると、かなり安くチケットが取れる。この割引がない列車もあるのだろうが、少しずつ時間をずらして調べてみると、そんなに時間的に差はなくても、かなりお得に乗れることがわかる。絶対にこの時間のデートに遅れてはならないという時間重視なら割高で妥協するしかないが、少し前後しても構わないなら、この割引率は絶対に「あり」である。初めてなので、少々時間がかかって考えていたら「早くしないと予約が埋まりますよ」という警告まで出たので驚いた。同じようなルートを調べ始めた人がいたのだろうか。
もう一つ、感心したのは「サイレント」というシートがあることだ。普通の国鉄(RE)には、時々最寄り駅から乗るので「サイレント席」については知っていたが、ちゃんと予約時にもその設定がある。数は少ないが、一人旅や寝たい人、静かに旅したい人向きだ。運良くシートがあったので、こちらはふたり旅だが静かなシニアなので、ありがたく予約した。自転車、ベビーカーの場所の予約もできる。
支払いはクレジットカードでもできるので、旅行者でもこのアプリで簡単に予約することができる。私の場合は、これも数日前にモバイルペイというのをインストールして、銀行と紐づけしたので、一瞬で支払い完了。色々な試運転になり助かった上に、4時間ほどかかるオーフスという街へいくのに、二人分の往復切符が1000クローネくらいだったので、初心者としてはまあまあなのではないか、と思う。しかも、行きはインターシティー、帰りはさらに速いインターシティーリュンという超高速列車が予約できたのだ。
もしかすると、何か大きな勘違いをしている可能性もあり、実際に旅行を遂行してみないとわからない。少し不安はある。
ホテルはやり慣れているので簡単に予約できた。しかも、ホテルアワードという無料宿泊券があったのでお得に予約でき、これで我が家のイースター休暇らしきものが設定できたことになる。めでたしめでたし。
たった、2日の「休暇」なので、他の日程はなにか考えないといけない。
全く「休暇」に悩むなんて、人生はなかなか険しい道のりである。